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野川はあも

矢上川のアユを見に行きました

6月24日(土)梅雨の晴れ間が何日か続いています。スカッとした青空はまだお預けですが、薄日が差す程度の曇り空で、蒸し暑いけど💦歩くのにはまずまずの天候です。9時半に南野川ふれあいの森に集合した大人9人で出発です。わんさかササや草が生い茂っている南野川ふれあいの森…次の7/2の活動日は汗かきまくり間違いなしと、覚悟を決めて森を後にしたのでした。

野川台に出てから、バスルートに沿って山下橋まで下り坂です。案外近くに武蔵小杉の高層マンション群が望めます。左手の斜面緑地は梅の里と言うのだとか。緑が多い地域と言われている野川ですが、こうして歩くと軒並み畑や林だったところが住宅に代わっているのを実感します。

矢上川にぶつかりました。ここ山下橋から上流に向かい川沿いを歩きます。川沿いは通る風が、涼しく感じます。実際少し気温が低いのではないでしょうか。流れる水の量はそう多くないのですが、澄んでいて水底までよく見えます。ゴミもあまり見当たりません。魚影は見えませんが、カエルの鳴き声が聞こえていました。

山下橋付近

高架にぶつかったところで、少し川を離れて寄り道をしました。高架をくぐり左手に折れ、少し坂を上ると右上に「全国を結ぶコンテナ超特急梶ヶ谷駅」と書かれた錆びた看板が見えてきます。普段は忘れていますが、ここはJR貨物武蔵野線のターミナル駅でした。そして右奥ではリニア新幹線の工事が進められています。ここで、今日の案内役の与本さんから思わぬお話をお聞きしました。地下深く掘り進める工事により、大量に発生する残土は、なんと貨物列車によって海浜部へ運ばれているそうなんです。JRも考えていますね。環境にもおそらくコスト面でもよい取り組みだと思います。また、同じ方法で市内で収集したごみを海浜部の埋め立て地に運んでいるそうで、これまた驚きでした。

再び、矢上川に戻ります。山下橋から上野川橋へ。川幅が少し広くなり、コンクリートだった川底を所々はがして生物が生息できるような環境を整える試みも行われています。この辺りから魚の泳ぐ影を見つけようと立ち止まっては目を凝らしますが、なかなか見られません。上野川橋のたもとには、矢上川の看板がありました。生き物や流域図周辺案内など、なかなか中身の濃い説明板でした。

再び川沿いを歩きます。アユがいればこの辺り、という場所です。と、「あ、いるいる!」という声に、どこどこと、指さす水面を凝視すると、水面にわっかができたり、さざ波がたったり・・・跳ねました!!!黒っぽい10センチそこそこぐらいの魚の群れが素早く泳いでいます。アユでした!与本さんからの事前情報では、今年はまだアユを見ていないとのことでしたので、見られて感激です。(写真はちょっと難しかった( ;∀;)

さらに下ると今度は大きなコイが悠々と泳いでいます。用意してもらったパンくずを投げると、バシャバシャとたくさん集まってきました。迫力でした。野川の交差点を過ぎ、五反田橋へ向かいます。川幅はさらに広くなり、河川内にはガマなどの水生植物が茂っていて、水の深さが増したのかやや濁って見えます。カルガモのつがいや親子が泳ぐ姿も見られて、なごみます。

五反田橋付近までやってきました。ここは、有馬川が矢上川に合流する地点でもあります。南野川ふれあいの森に降る雨は、有馬川に流れ込んでいるはず。そう思うとこの流れがとても近しいものに感じられます。ここには魚が遡上できるように堰の一部に魚道が作られています。これにより、アユが上ってこられるようになったのですね。また、道路から川に降りられる階段もあり川に入ることができます。この日も、お母さんと一緒に来た男の子が嬉しそうに川に入って遊んでいました。今回はここで解散となりました。約1時間半ののんびり川歩きでした。

右端が魚道になっている
左手から有馬川が流れ込んでいる

川はどこの地域にもあるはずなのに、現在の町での生活では遠い存在になっていることに改めて気がつかされました。アユを始めとする魚やそれを狙う水鳥、トンボやアメンボなどの虫やカエルなど森と同じように川にも命の環があり、その川の流れは森や畑、私たちが暮らす宅地からつくられます。町も森も川もそして海までここでも全部つながっている。そんなことを意識して生活すれば、おのずと生き物に優しい環境が保たれるのではないかと思いました。