それは、6月1日の活動日の昼休みの出来事でした…
いつもより参加人数は少なく、子どももいない静かな初夏の昼下がり、お弁当を食べ終わり、思い思いに森でまったり休憩していた時でした。
こもれび広場で木々を見上げていたTさんが、神妙な面持ちでやってきた。
「なんか巣箱に長いくねっとしたものが、掛かっていて、動かないんだけど。ヘビ?」
へっ?やな予感・・・・巣箱の元へ行きみんなで凝視。巣箱の穴から何かが出ていて枝の方に伸びている。なめらかな曲線を描き、どう見ても枝ではない。でも動かない。で、Kさんがはしごを持ち出し、巣箱に近づく。でも動かない。Kさん、巣箱をたたく。と、音もなくするするとその長いものは、巣箱の穴からすっぽり中に入ってしまった。Kさんは、さらに二度ほど巣箱をたたいてみたが、音沙汰なし。
長いものの正体は、アオダイショウ。しかもかなり大きい。
わけもなく巣箱に近づくわけはない。おそらく巣箱の中には、シジュウカラの卵があったのでしょう。食後だったのか食前だったのか、それはわからないけど、狙いは確か。もしかしたら、雛だった可能性も?物音がしなかったから、やはり卵か?親鳥は、成す術もなくどこかで見ていたのだろうか・・・・
自然の摂理と言えばそれまでだけれど、巣箱を掛けた私たちとしては、ショックも大きい。
巣箱を掛けるときの注意点の中に、【ヘビに襲われることがあるので、近くに枝がないこと】というのがありました。でもここのところ、付けるのが大変だからとつい枝を利用して付けていたのです。もしかしたら、今までも目撃していないだけで、ヘビに襲われていたこともあったのかも。そう思うと落ち込む…せっかく巣箱を選んでくれたのに、せっせと何往復もして巣材を運び入れて卵を産んだシジュウカラに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
一方で、大きなアオダイショウが生息できるほどに、ここが豊かな場所であることの証明でもあるようで、なんとも複雑。
午後の作業が始まってしばらくすると、アオダイショウは巣箱から出てきた。出てきたときはしっかり頭も激写。可愛らしい顔して、おいしかったっていう幸せそうな顔に見えたのは、気のせい?