まあ!たくさんいること
9月に入り、秋雨前線や迷走台風のせいで雨が多いですね。9月6日の活動も雨で13日に延期となりました。前日5日は曇りだったので、森に出かけました。午後遅い時間だったせいもあり、こもれび広場は木に覆われて暗く、誰もいません・・・
どんぐり広場では、サトキマダラヒカゲが、樹液を吸いに来ているのか数頭心細げに飛んでいました。
サトキマダラヒカゲがとまったコナラの幹を見ると、何やら白っぽいものがたくさんいます。近づいてみると

まあたくさんいること、別のコナラの幹にもたくさんいます。陸生の巻貝のキセルガイ(おそらくヒカリギセル?)です。一度にこんなにたくさん見るのは初めてでした。
キセルガイとカタツムリ

陸生の巻貝というと、先ずカタツムリが思い浮かびます。こんな雨が多い時期にカタツムリがいてもよさそうなものですが近年カタツムリを見る機会は少なくなりました。ここ南野川ふれあいの森でも、1年に1回見られればいい方で、しかもあまり大きな個体は見かけません。大きなくくりでは同じ仲間の巻貝ですが、何が違うか調べてみました、
まず貝の形は、一目瞭然カタツムリは平べったくて種類によって、右巻きも左巻きもあります。キセルガイの方は名前の由来のとおり煙管(キセル)のように長細く、左巻きしかいません。
食べるものにも多少違いがあるようです。どちらもコケや落ち葉などを食べるのですが、カタツムリは生の草や葉も好みます。
そして、どちらも湿った所が好きです。そのため乾燥してきた場合に、カタツムリは貝の入り口に薄い膜を張って乾燥を防ぐのに対し、キセルガイの方は、内部にスライド式の丈夫な閉弁(ふた)があるそうでこれで外部の空気をシャットアウトしています。
キセルガイ優勢
カタツムリとの違いをみてくると、キセルガイの方が生き残りやすくなっているようですね。小さくて隅っこにも隠れやすく、隠れた場所にも食べるものがいっぱいあるキセルガイに比べて、葉を食べたいカタツムリは移動しないといけません。しかもスロースピードで。天敵の鳥やオサムシなどに見つかる可能性も高いですし・・・・
でも一番気になったのは、乾燥への耐性です。しっかりした蓋ができるキセルガイが有利です。
森の変化
近年、南野川ふれあいの森で活動していて、以前のような草いきれというのでしょうか、植物から発せられるムッとするような熱気を感じることがなくなりました。真夏であってもです。ナラ枯れ被害の後、多くの木が伐採され下草も短く刈られた影響もあるのでしょう。それでも、今年はかなり木々も茂り下草も刈るのが大変な状況ですが、それでも以前ほどの湿度ではないような。
1つには、ふれあいの森に連なる緑地の減少があるのかもしれません。ふれあいの森と同じような林であった場所が、今は50戸ほどが建つ住宅地となりました。緑の塊の分量が減ることで、少しずつ生きられる生物もかわってくるのではないか。キセルガイの大量発生を見てそんなことを考えました。
キセルガイは暗くてじめじめなところが好きなので、この日たくさんいたのは、ここ何日かの雨天続きが一番の原因ではあるのですが。
私たちのできること
人にとって快適な場所は、当然ながらすべての生き物に快適ではありません。南野川ふれあいの森は人が訪れる場所なので、ある程度の手入れは必要です。でも多様な生き物が生きる場所として、森の中すべてを人にとって快適なエリアにする必要はないと考えます。特に都市化が進んでいくこの町中にある森だからこそ。森の変化に敏感に、そして手入れも柔軟にしていこうと思います。
