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シンボルツリーを育てよう。

南野川ふれあいの森は、かつての雑木林

活動を始めた22年前は、竹やぶの中にコナラやクヌギが埋もれているような状態でしたが、数年かけて竹切りを根気よく続けた後には、コナラやクヌギを中心に、エゴノキ、ミズキ、ヤマザクラ、イヌシデなどの落葉樹を主体とした林が復活しました。コナラやクヌギは「山おやじ」と呼ばれる、とても太い根元から2本3本と幹が伸びている株立の形状をした木が多くありました。

2011年の出会いの広場 右側の木が切られて切り株だけが残っています。
山おやじ ともいわれるコナラの株立ちの古木

おそらく今から70年くらい前までは、薪炭を作る目的で、これらコナラ、クヌギを15~20年周期で伐採していたのでしょう。萌芽力が旺盛なので、切られたところからまた枝を伸ばし、薪に程よい太さになったところで再び伐られるということを繰り返した結果、根元はその木の樹齢分の太さになり、そこから出た数本の枝が幹となっているというわけです。

出会いの広場にあったコナラも、大きな緑陰を作ってくれて、子どもたちは来ると必ずと言っていいほどその株立ちの間に上って遊び、休憩もランチタイムもみんながこの木の下で過ごしました・・・いわばシンボルツリーのような存在。しかしこの木も3年前にナラ枯れ被害にあい伐採されてしまいました。近年は、コナラやクヌギの大きな木が強風やナラ枯れなどの被害で本数が減っています。

「シンボルツリーのような木、ほしいよね」

そんな声がメンバーからちらほら聞こえるようになりました。ここには、大きなヤマザクラが数本あります。毎年花を咲かせ実も付けます。だったら、桜を実から育ててみる?みんなで育てた桜の下でお花見なんて最高じゃないか!以前と違って、広範囲が伐採された木漏れ日広場は、今はお日様さんさん広場になっています。ここなら、今のうちなら、木も大きく育ってくれるかも?

やまざくらプロジェクト

ということで、実の採集が5月から始まりました。

ヤマザクラの下には、赤黒い1センチほどの大きさの実が落ちています。最初はよく調べもせず、拾った実をそのままビニルポットに撒いていました。実は、この赤黒い果肉部分には、発芽を抑制する物質が含まれていて、この果肉は取り除く必要がありました。鳥が食べた実は、種の部分が消化されずに糞とともに排出されます。そうやって、ヤマザクラは生育場所を広げているわけです。光を特に好むこの樹種は大きく枝葉を広げていて、この樹下に実が落ち、うまく発芽したとしても十分な陽光を得られず生長は望めませんものね。

6月1日の活動日に改めて実を採集しました。120個ありましたが、そのうち25個は熟しておらず赤く固い状態でした。そこでやわらかい実95個を手でつぶし、水洗いして残った種子(核果)を今秋か来春撒きます。またその時はご報告いたしますが、花が咲くまではあと何年?かなり気の長い話ではありますが、これを楽しみに長生きするのもいいなあ(#^.^#)なんて。

採集したヤマザクラの実
果肉を取り除いて水洗いした種